ビタミンDが充分な人は2型糖尿病になることが少ない

(2018年4月) "Plos One" に掲載されたカリフォルニア大学サン・ディエゴ校などの研究で、ビタミンD血中濃度が高い人は2型糖尿病になることが少ないという結果になっています。

研究の背景

これまでにもビタミンD血中濃度と2型糖尿病の発症リスクとの関係を調べた研究が複数行われています。 しかし、それらの結果が一致していないうえに、32ng/ml以上(80nmol/L)という正常範囲内で高い水準にあるビタミンD血中濃度における糖尿病リスクのデータが不足しています。

研究の方法

米国に住む糖尿病/前糖尿病ではない38~97才(平均74才)の男女903人を対象に、ビタミンDの血中濃度を測定し、その後12年間にわたり糖尿病/前糖尿病の発症状況を追跡調査しました。

結果

追跡期間中に2型糖尿病になったのは47人、前糖尿病になったのは337人でした。

カルシフェジオール(*)の血中濃度が30ng/ml(75nmol/L)のグループに比べたときの、他のグループの2型糖尿病発症リスクは次のようなものでした:
  • 30~39ng/ml(75~98nmol/L): -69%
  • 40~49ng/ml(100~122nmol/L): -71%
  • 50ng/ml以上(125nmol/L): -81%

カルシフェジオール血中濃度が10ng/ml(25nmol/L)増えるごとに、2型糖尿病のリスクが36%低下するという計算になります。

カルシフェジオール血中濃度と前糖尿病になるリスクとの間には関係が見られませんでした。

カルシトリオール(†)の血中濃度と2型糖尿病/前糖尿病になるリスクとの間にも関係が見られませんでした。

(*) 摂取したビタミンDや日光に当たって体内で合成されたビタミンD(コレカルシフェロール/エルゴカルシフェロール)から作られるビタミンD。ビタミン血中濃度の測定で一般的に測定するのはカルシフェジオールの濃度。

(†) 体内でカルシフェジオールから作られるビタミンD。体が利用できるビタミンDはカルシトリオール。

ビタミンDの補給

ビタミンDは食品にも含まれていますが、日光が皮膚に当たることで主に補給されます。 日光に含まれる紫外線B波が皮膚に当たることでビタミンDが合成されるためです。

国立環境研究所(茨城県つくば市)の研究によると、冬の札幌でも76分間の日光浴で成人が1日に必要とする量のビタミンDを作れます。 スペインのバレンシアで行われた研究では、真冬の1月に 1,000IUのビタミンDを得るには130分間の日光浴が必要だという結果になっています。

十分なビタミンDを得るのに必要となる日光浴の時間は、服装(長袖か半袖かなど)や姿勢の影響を受けるので、日光にさらされる皮膚の範囲が狭ければ必要となる日光浴の時間が長くなります。 一般的には、日光に当たりすぎてもビタミンDが過剰に作られる心配はありません。

ビタミンDのサプリメントもビタミンDの補給に有効です。 ビタミンDの補給には日光浴よりもサプリメントのほうが効果的だという研究もあります。 ビタミンCやEなどと違ってビタミンDは、多くの専門家がサプリメントの利用を推奨しています。