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ビタミンEの摂取量が多いと乳ガンになりやすい?

(2017年8月) "American Journal of Clinical Nutrition" に掲載された米国立ガン研究所などの研究によると、飲酒や飽和脂肪酸だけでなくビタミンEの摂取量が多い場合にも乳ガンのリスクが増加するかもしれません。

研究の方法

浸潤性乳ガン(最初の発生部位から周囲の正常組織へと拡がった乳ガン)を患っている閉経後の女性621人と乳ガンではない閉経後の女性621人のデータを用いて、食生活が乳ガンのリスクに及ぼす影響を調べました。

データに含まれていたのは様々な食品や栄養素の代謝物の血中濃度(*)で、乳ガン患者のほうのデータは乳ガンと診断される前に収集されたものでした。
(*) 食品や栄養素をどれだけ摂取しているかを把握する指標となる。

BMIや身体活動量など乳ガンの各種リスク要因とカロリー摂取量を考慮しつつ、代謝物の血中濃度において上位10%に属する人と下位10%に属する人とで乳ガンのリスクを比較しました。

結果

食生活が関与する113種類の血中代謝物のうち、乳ガン全体(621件)のリスクとの間に関係が見られたのは次の3つでした:
  • 飽和脂肪酸(肉や乳製品に多く含まれる脂肪)の代謝物であるカプリン酸: 77%のリスク増加
  • ビタミンE(γトコフェロール)の代謝物であるγ-CEHC: 64%のリスク増加
  • アンドロゲンの一種である 4-androsten-3β,17β-diol-monosulfate (1)61%のリスク増加
Hormone Replacement Therapy(リンク先は Google ブックス)という書籍によると、名称がよく似ている 4-androstene-3 beta,17 beta-diol がDHEAやDHEASという物質の代謝物です。 そして、北里大学によると、DHEAは若返りのサプリメントとして市販されています。

ER陽性

ER陽性の乳ガン(418件)のリスクとの間に関係が見られたのは次の17種類の代謝物でした:
  • 飲酒が関与する12種類の代謝物: 123%のリスク増加
  • ビタミンE(トコフェロール)の3種類の代謝物(γ-CEHCなど): 80%のリスク増加
  • バターに由来するカプリン酸: 81%のリスク増加
  • 揚げ物が関与する2-ヒドロキシオクタン酸: 46%のリスク増加

ER陰性

ER陰性の乳ガン(144件)のリスクと食生活関連の血中代謝物との間には関係が見られませんでした。

関連研究

これまでの研究でも、抗酸化物質の服用によりガンのリスクが増加することが示されています:
飲酒が乳ガンのリスク要因であることも複数の研究で示されています。