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ビタミンE(植物油)には肺にとって有害なものと有益なものとがある

(2014年5月) "Respiratory Research" 誌に掲載されたノースウェスタン大学の研究によると、同じビタミンE でも種類によって肺の機能にとって有害なものと有益なものとがあります。 ヒトの肺機能が、γトコフェロールという種類のビタミンE により低下する一方で、αトコフェロールでは向上するというのです。
γトコフェロールはキャノーラ油(なたね油)や、大豆油、コーン油に含有されています。 αトコフェロールはオリーブ油やサンフラワー油(ひまわり油)に含有されています。 ビタミンEの一般的なサプリメントに含まれているのは D-α-トコフェロールです。

研究チームが以前に行ったマウス実験では、αトコフェロールによって肺の炎症が低減し、肺機能が保護される一方で、γトコフェロールにより肺の炎症と気道の過敏性が悪化することが示されています。 気道の過敏性は喘息患者に見られます。

研究の概要

今回の研究では、"Coronary Artery Risk Development in Young Adults Study(CARDIA)" という研究のデータ(4,526人)を用いて、血中トコフェロール量と肺機能との関係を調べました。

CARDIA のデータから、20年間のうちに肺機能(肺活量)を4回検査した結果と、15年間のうちに血中トコフェロール量を3回検査した結果を抜き出して分析したところ、γトコフェロール血中量が多い(10マイクロモル超)グループでは努力呼気肺活量(FEV1)と努力肺活量(FVC)が10~17%減少している一方で、αトコフェロール血中量が多いグループでは FEV1 と FVC が高くなっていました。

解説
研究者は次のように述べています:

「肺の機能が10%落ちると喘息的な状態になってきます。 空気を吸い込める量が減り、肺から空気を吐き出すのも辛くなるために、呼吸しにくくなります」

「既に肺機能が落ちている喘息患者がγトコフェロールを大量に摂取すると、呼吸がさらに困難になると考えられます」

米国では喘息患者の数が過去40年間のあいだ増加し続けていますが、この増加は、大豆油・キャノーラ油・コーン油が心臓の健康に良いということで、これらの食用油がラードやバターに取って代わった時期と一致しています。

研究者によると、オリーブ油とサンフラワー油の使用量が多い国では、喘息患者の数が有意に少なくなっています。 米国における血中γトコフェロール量の平均値は、オリーブ油やサンフラワー油の消費量が多い欧州や北欧諸国の4倍以上です。

今回のデータに基づくと、米国の場合450万人ほどがγトコフェロールの摂り過ぎによって肺機能が落ちていると推算されます。
「オリーブオイルとサンフラワー油が一般的に消費されている国では喘息患者の数が最低水準にある一方で、大豆油・コーン油・キャノーラ油が一般的に消費されている国では喘息患者の数が最高水準にあります」
この研究者は 2012年に、γトコフェロールによって肺の炎症が増加するメカニズムを明らかにしています。 αトコフェロールとγトコフェロールはいずれも、プロテインキナーゼCαという炎症に関与する酵素と結合しますが、αトコフェロールがこの酵素を阻害するのに対して、γトコフェロールはこの酵素を活性化させます。
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