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生活習慣しだいで、ビタミンEのサプリメントは肺炎になる危険性を増やしたり減らしたり

(2016年10月) "British Journal of Nutrition" に掲載されたヘルシンキ大学の研究で、高齢者男性において、ビタミンEのサプリメントが肺炎のリスクに及ぼす影響が生活習慣しだいで正反対になるという結果になりました。出典: Vitamin E and the risk of pneumonia...

ビタミンEサプリメントの服用によって、運動習慣がある一方で喫煙習慣はないという高齢者では肺炎にかかるリスクが下がっていたのに対して、運動習慣はなく喫煙習慣だけがあるという高齢者では逆に肺炎になるリスクが増加していたのです。

研究の方法

50~69才のフィンランド人男性3万人近くを被験者として、ビタミンEのサプリメントと肺炎リスクとの関係を調べる臨床試験を 1985~1993年にかけて行いました。

喫煙量や運動量に応じてデータ全体を5つのグループに分けて、ビタミンEサプリメントの肺炎リスクへの影響を比較しました。

結果

試験期間中に発生した肺炎の症例数は898件でした。

喫煙量がもっとも多い一方で運動習慣は無いという不健康なグループ(全体の22%)では、ビタミンEサプリメントの服用によって肺炎のリスクが68%増加していました。

これに対して、喫煙量がもっとも少なく、さらに運動習慣もあるという健康的なグループ(全体の7.6%)では、ビタミンEサプリメントの服用によって肺炎のリスクが69%減少していました。

による分析

さらに、統計学的な手法を用いて 値を求めたところ、喫煙量や運動量が異なる5つのグループの 値が89%となりました。

の値は0~100%の値を取り、その値が100%に近いほど試験結果が偶然である可能性が低いということになります。 したがって89%という値は、各グループ間に見られた肺炎リスクの差の大部分がビタミンEのサプリメントによるものであることを示しています。

コメント
今回の結果に基づき研究者は次のように述べています:

「免疫機能の向上を目的としてビタミンEを世間全般に無差別に推奨するべきではありません」

「喫煙習慣がない一方で運動習慣はあるという高齢の男性に対するビタミンEの効果については、今後の研究でさらに調べる必要があります」