ビタミンCやEが筋肉の持久力向上の妨げになる

(2014年2月) "The Journal of Physiology" に掲載された "Norwegian School of Sport Sciences" の研究によると、ビタミンC とビタミンEによって、筋肉の持久力の向上が阻害される可能性があります。

研究の方法

この研究では、健康な若い男女54人を2つのグループに分け、11週間にわたって、一方のグループにはビタミンC 1,000mg とビタミンE 235mg を、そしてもう一方にはプラシーボ(二重盲検法による)を服用してもらいました。 そして、この11週間にわたって両グループに週に3~4回の持久力トレーニング(主にランニング)を行ってもらいました。

そして11週間の期間の前後2回にわたって、身体能力テスト、血液検査、および筋生検(筋肉組織のサンプルを分析する。サンプル採取時に痛いらしい)を実施して結果を比較しました。
結果
主な結果は次の通りです:
  • 最大酸素摂取量や20m走については、ビタミンC&Eを服用した影響は見られなかった。
  • その一方で、ビタミンC&Eを服用したグループでは、筋ミトコンドリア(muscle mitochondria)が新しく作られていないようだった。(筋ミトコンドリアが生産されているという兆候(マーカー)が見られなかった)
解説

ミトコンドリアは細胞にエネルギーを供給するという役割を有しており、筋肉の持久力を向上させるのに必要です。

研究者は「持久力トレーニングをする人がサプリメントで大量のビタミンCやEを摂る場合には注意が必要だ」と述べています。
つまり、持久力トレーニングをしない場合には通常の量のビタミンCやEのサプリメントを飲んでも問題は無いし、持久力トレーニングをする人でも食事から摂る程度のビタミンCやEなら問題は無いということでしょう。 トレーニングではない試合本番のときなど、筋肉の発達よりパフォーマンスを優先する場合はどうなのでしょうか?

研究グループは、ビタミンCとEによって筋ミトコンドリアが新しく作られなくなる理由として、これらのビタミンが細胞のシグナル伝達に干渉して、特定の(筋ミトコンドリアに関与している)遺伝子群の発現が鈍るからではないかと考えています。

また、過去の複数の研究で、①運動によって筋肉内における酸化体(muscle oxidant)の生産量が増加すること、そして②この酸化体が筋肉の発達(muslce adaption)に必要なシグナル伝達プロセスに関与していることが示されていることから、ビタミンC&Eが抗酸化物質として作用して酸化ストレスの一部を除去するために筋肉の持久力の発達が阻害されるという可能性も考えられます。