(2013年4月) ペンシルバニア州立大学の研究によると、起床後すぐにタバコを吸う人は肺と口のガンになるリスクが増加します。
1,945人の喫煙者から収集した尿のサンプルと喫煙習慣に関するデータを分析しました。
これら1,945人のうち、朝起きてから5分以内にその日の最初のタバコを吸う人が32%、6~30分以内に吸う人が31%、31~60分以内だという人が18%、そして起床後1時間以上経ってから一本目を吸うという人が19%でした。
起床直後にタバコを吸う人の血液には、起床後30分以上経ってから初めて喫煙する人の血液と比べて、NNAL(4-(methylnitrosamnino)-1-(3-pyridyl)-1-butanol)という物質が多く含まれていました。 NNAL というのは、タバコに特有の発がん性物質である NNK(4-(methylnitrosamino)-1-[3-pyridyl]-1-butanone)の副産物です。
NNALの血中濃度は、年齢・性別・喫煙開始年齢・他の喫煙者が家族にいるかどうかとの相関関係も認められましたが、要因として最も強力だったのは起床からその日最初の喫煙までの経過時間でした。 1日あたりの喫煙本数は NNAL との関係が認められませんでした。
研究者は次のように述べています:ペンシルバニア州立大学は、2011年にも起床から喫煙までの時間とガンのリスクとの関係についての研究を行っています。
この 2011年の研究では、起床から喫煙までの時間と、肺ガンおよび頭頸部癌との関係を調べました。
肺ガンのほうの調査は、7,600人ほどの喫煙者を対象として実施され、その結果は、起床後1時間より後に最初のタバコを吸う人に比べて、肺癌になるリスクが、起床後30分以内に最初のタバコを吸う人では1.79倍、同じく31~60分以内に吸う人では1.31倍になっているというものでした。
頭頸部ガンのほうの調査では、1,900人近くの喫煙者を対象に行われました。 その結果は、起床後1時間より後に最初のタバコを吸う人に比べて、頭頸部ガンになるリスクが、起床後30分以内に最初のタバコを吸う人では1.59倍、同じく31~60分以内に吸う人では1.42倍でした。
これらのリスク増加も、喫煙量や喫煙歴に関わらず起床から喫煙までの時間のみによるものです。