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「ふだん歩くときのペースは?」という質問1つでわかる自分の死亡リスク

(2017年10月) "European Heart Journal" に掲載されたレスター大学などの研究によると、自分の歩く速度を自分自身がどう判断しているかに死亡リスクが表れます。

研究の方法

ガンや心血管疾患(心臓病や脳卒中)の病歴がない英国人男女42万人超(女性23万人)を対象に、握力を測定したり歩く速さについて尋ね、その後6.3年間にわたり生存状況を追跡調査しました。

歩く速さに関する質問

次のような質問で歩く速さについて尋ねました:

あなたがふだん歩くときのペースは次のいずれに該当すると思いますか? 1. 遅い、2.普通、3.速い

結果

追跡期間中に 8,598人が亡くなりました。 このうち心血管疾患で死亡したのは 1,654人、ガンで死亡したのは 4,850人でした。

歩く速さ

総死亡リスク

歩く速さと総死亡リスク(死因を問わない死亡リスク)との関係はBMI(体重)により異なりました。

BMI値が大きい(太っている)場合(*)には、「自分は歩く速度が遅い」と回答したグループの「自分は歩く速度が速い」と回答したグループに比べたときの総死亡リスクが女性では1.31倍、男性では1.41倍でした。 同様の比較でBMI値が小さい(痩せている)場合には、女性で2.16倍、男性で2.01倍でした。
(*) BMIに応じてデータを3つのグループに分けた中でBMIが最大のグループ。

心血管疾患で死亡するリスク

心血管疾患で死亡するリスクに関しては、男性も女性もBMIにかかわらず、「自分の歩く速度が遅い」と感じているグループは「自分の歩く速度が速い」と感じているグループに比べて、死亡リスクが1.7倍でした。

ガンで死亡するリスク

男女ともに、歩く速さとガンで死亡するリスクとの間には関係が見られませんでした。

握力

総死亡リスク

BMIが低い男性に限り、握力が低い場合には強い場合に比べて、総死亡リスクが1.29倍に増加していました。 女性では握力と総死亡リスクとの関係が明確ではありませんでした。

心血管疾患で死亡するリスク

男性では、握力が低い場合(平均30.6kg)には強い場合(平均49.3kg)に比べて、心血管疾患で死亡するリスクが1.38倍でした。 BMIによるリスクの違いは見られませんでした。

女性では、握力と心血管疾患で死亡するリスクとの間に関係が見られませんでした。

ガンで死亡するリスク

男女ともに、握力とガンで死亡するリスクとの間には関係が見られませんでした。

握力と歩くペースの関係

歩くペースが遅いグループの握力の平均値は、男性では34.7kg、女性では19.6kgでした。 歩くペースが速いグループの握力の平均値は、男性では41.2kg、女性では24.9kgでした。 歩くペースが早い人のほうが握力が強いことがわかります。

結論

これまでにも複数の研究で握力に死亡リスクや健康状態が反映されることが示されていますが、今回の研究によると、死亡リスクは握力よりも歩くペースによく表れるのかもしれません。