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認知機能を維持するにはウォーキング習慣を続けることが大切

(2017年6月) "Neurobiology of Aging" 誌に掲載されたブリティッシュ・コロンビア大学などの研究によると、認知機能を維持するうえでは長期間にわたり歩行量を維持するのが大切であるようです。

研究の方法

70~79才の高齢者(60%が女性)141人を13年間にわたり追跡調査しました。 13年間のうち、最初の10年間には歩行量(1日のうち歩行に費やす時間)に関するアンケート調査を毎年実施し、最後の3年間にはMRIを用いて脳の状態を検査しました。

結果

調査1年目から10年めにかけて、歩行量は1年あたり平均8.4%の割合で減っていました。

10年間にわたり歩行量が維持されていると、①海馬の容積(*)の減り方が少なく、②認知能力全般が良好に維持されていました。
(*) 記憶と学習に深く関与する脳の領域。 サイズが大きいほうが良い。
10年間にわたり歩行量の減り方が少ない場合に比べて、次の2つの場合には認知機能が低下するリスクがあまり下がっていませんでした:
  1. 歩行量に増減が見られる場合
  2. 歩行量が維持される期間が5年間だけである場合

関連研究

  • "Age and Ageing" 誌(2017年)に掲載された東北大学の研究でも、10年超にわたり一貫して歩く量が多高齢者は認知症になることが少ないという結果になっています。 65才以上の日本人男女 7,000人弱を対象に10年間の最初と最後の時点における歩行量を調べたところ、両方の時点で1日の歩行量が1時間以上だったグループは1日の歩行量が30分未満だったグループに比べて、歩行量の調査を行ってから5.7年間のうちに認知症になるリスクが28%低くなっていました。
  • 今回の研究と同じ "Neurobiology of Aging" 誌(2016年)に掲載されたカナダの研究では、19~79才の健康な男女331人の脳を検査して、階段を利用することが多いほど脳が若い(*)という結果になっています。
    (*) 1日に階段を上る量が1階分増えるごとに脳の灰白質の容積(老化により減少する)が0.6才分近く多い。
  • 2014年に米国シカゴで開催された "AAAS Annual Meeting" で発表されたピッツバーグ大学の研究で、55~80才の男女120人に1年間にわたり早いペースでのウォーキングを週に3回(1回あたり40分)という頻度で続けさせたところ、海馬(脳の領域の1つで記憶や学習を司る)のサイズが維持されるどころか2%増えていました。