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ウォールナッツがアルツハイマー病の予防に有効?

(2014年10月) "Journal of Alzheimer's Disease" に掲載された Institute for Basic Research in Developmental Disabilities(米国)の研究によると、ウォールナッツがアルツハイマー病の予防や進行抑制などに有効かもしれません。

この研究ではマウス実験において、次の4つのグループを比較しました:

  1. 普通のエサを与えられた普通のマウス

  2. 遺伝子改造によりアルツハイマー病を発症しやすくなったマウス。 エサは普通のものを与えられた。

  3. 同様の遺伝子改造をされたマウス。 ウォールナッツを6%含むエサを与えられた。

  4. 同様の遺伝子改造をされたマウス。 ウォールナッツを9%含むエサを与えられた。
「ウォールナッツを6%」というのは、ヒトで言えば1日あたり30gのウォールナッツを食べるのに相当します。 9%は45gを食べるのに相当。 各グループに特有のエサは、生後4ヶ月から与え始めました。
主な結果は次のようなものです:

  • 1のグループと2のグループの比較では、記憶欠損、不安行動、および空間学習能力・位置識別学習能力・運動協調性における重度の障害が2.のグループに認められた。

  • 2のグループと3および4のグループとの比較では、3および4のグループで記憶力、学習能力、不安感、運動技能発達が改善されていた。

  • ふるまい(不安行動?)に関して、3および4のグループと1のグループとの間に統計的に有意な差はなかった。
これらの結果から研究チームは、「ウォールナッツを食事に取り入れるのが、アルツハイマー病のリスク低下・発症の遅延・進行の鈍化・予防に有効である可能性がある」と結論付けています。

研究チームは過去の研究で、アミロイドβタンパク質(アルツハイマー病患者の脳に見られるプラークの主要成分)が引き起こす酸化ダメージから細胞を保護する効果がウォールナッツ抽出物にあることを生体外実験により示しており、今回の研究はその続編として行われました。

研究チームは、アルツハイマー病では酸化ストレスと炎症が特徴的であることから、ウォールナッツに含有される大量(30gあたり 3.7 mmol 程度)の抗酸化成分が、アルツハイマー病に見られる脳の変質からマウスを保護するのに寄与している可能性があると考えています。

今回示されたウォールナッツの効果には、ウォールナッツに含まれるオメガ3脂肪酸の一種であるαリノール酸が関与しているかもしれません。
今回の研究を行った Institute for Basic Research in Developmental Disabilities というのは、ニューヨーク州立の公的な機関ですが、ニュースの提供元が California Walnut Commission(ウォールナッツの業界団体)となっているので、今回の研究にはこの団体が関与(資金を提供)しているのだと思います。