クルミは酸化ストレスの低減によりアルツハイマー病の予防に効果を発揮する?

(2018年7月) カリフォルニアくるみ協会などが資金を提供した研究によると、酸化ストレスを低減してアルツハイマー病を予防する効果がクルミに期待できる可能性があるかもしれません。 この研究は "Journal of Alzheimer's Disease" に掲載されました。

研究の背景

この研究グループが以前に行ったマウス実験で、アルツハイマー病を発症しているマウスの記憶力や学習能力にクルミが有益であるという結果になっています。

アルツハイマー病の発症や進行に酸化ストレスが関与すると考えられているため、今回の研究ではアルツハイマー病のマウスにクルミを与えて酸化ストレスが軽減されるかどうかを調べました。

研究の方法

アルツハイマー病になりやすい品種のマウス(以下「ADマウス」)の一群と普通のマウスの一群をそれぞれ複数のグループに分けて、クルミを6%または9%(*)含有するエサやクルミを含有しない普通のエサを5~15ヶ月間にわたり与えてみました。
(*) 6%の含有量でヒトが毎日クルミを28gほど食べるのに相当する。 9%は約42.5g/日に相当。

結果

クルミを含有しない普通のエサを与えられたADマウスは、同じく普通のエサを与えられた普通のマウスに比べて、年齢に応じて酸化ストレスが激しくなりました。

ところがクルミを6%または9%含有するエサを与えられたADマウスは、普通のエサを与えられた普通のマウスに比べても酸化ストレスが少ない状態となりました。

クルミを5ヶ月間しか投与しない場合よりも、10ヶ月間または15ヶ月間という長期間にわたり投与した場合のほうがADマウスの酸化ストレスが大きく低減されました。

クルミは、フリーラジカル(活性酸素種)をスカベンジ(掃除)したり抗酸化的な状態を改善したりすることによって酸化ストレスを低減するのだと考えられます。

期待される効果

研究グループは次のように述べています:
「早いうちからクルミを食生活に取り入れることによって、認知症のリスクを下げたり発症の時期を遅らせたり症状の進行ペースを鈍化させたりできるかもしれない。 クルミの抗酸化・抗炎症効果は認知症以外においても脳の健康にとって有益である可能性がある」