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喉が渇いていなくても水を飲みましょう

喉が渇いていなくても水を飲むべきか?

喉が渇いたと感じるときには既に軽度の脱水状態である可能性があります。 この傾向は年を取るにつれて強くなってゆきます。 年を取ると喉の渇きを知らせる信号が脳に届きにくくなるためです。

また、"Merican Journal of Clinical Nutrition"(2016年5月)に掲載された研究によると、高齢者の場合は尿の色の濃さから脱水状態を正確に判断することもできません。 したがって高齢者は特に、食後や運動時には喉が渇いていなくても水を飲むのを習慣にすると良いでしょう。

水が体内で果たす役割

人体の50~70%は水で出来ています。 脂肪よりも筋肉の方が水分含有量が多いため、女性よりも男性が、そして老人よりも若い人のほうが体重に占める水分の比率が高くなります。

体内において水分は、栄養分の消化・吸収や、血液の循環(栄養分の輸送)、発汗による体温抑制、唾液の生産、老廃物の排除、関節の潤滑、細胞間の信号伝達などに必要とされます。 ヒトは数週間何も食べなくても死にませんが、数日間水を飲まないだけで死んでしまいます。

水分が不足すると
急性的に不足すると
水分が短時間のうちに急性的に不足すると次のような状態になります:
  • 体内の水分が1%不足すると喉の渇きを覚えます。喉が渇きすらしない程度の水分不足でも認知機能が低下するという研究や1.9%の水分不足でも喫煙と同程度に血管に悪影響だとする研究もあります。
  • 水分不足が2%に達すると、食欲が無くなり、血流が遅くなり、気分障害が生じます。
  • 4%の水分不足では、軽い吐き気、肌の紅潮、極度の疲労感、などの症状が生じます。 さらに、水分不足によって血液のボリュームが減るために手足がうずき、体温が上昇し、脈拍と呼吸が速くなり、頭痛がします。
  • 体重の10%に相当する水分が失われると、舌が腫れ、腎不全を起こし、めまいがして、筋肉が痙攣し始めます。 人体は20%以上の水分不足には耐えられません。
慢性的に不足していると

毎日のように慢性的に水分が不足していると、腎結石・便秘・大腸ガン・膀胱ガンになりやすくなります。

水分不足で痛覚が鋭敏に

"Psychophysiology" 誌(2016年)に掲載されたマッセー大学(ニュージーランド)の研究によると、24時間にわたって水分を摂らないことで生じる程度の脱水状態によって痛覚が鋭敏になると思われます。

関節・腰・背中などの慢性痛や偏頭痛に悩まされている人は、水分を十分に補給するようにしておくことで痛みが緩和されるかもしれません。

水分補給の目安
1日に必要な水の量

ヒトは1日のうちに、呼吸や発汗で 850~1,200 ml、尿で 600~1,200 ml、そして大便で 50~200 ml の水分を体外に排出します。 つまり、少ない人で1.5L、多い人では2.6Lの水分を1日のうちに失うわけです。

米国の Mayo Clinic や Institute of Medicine では、1日あたり2~3リットルの水分が必要だとしています。 また、Food and Nutrition Board によると、摂取カロリー1kcal ごとに1mlの水分補給が必要です。

水分は食事にも含まれていますが、"The Blood Thinner Cure" という本には、「1日あたりコップ10~12杯の水を飲むと良い」とあります。 何度にも分けて水分をこまめに補給しましょう。

喉が渇いていなくても飲む

コロラド州立大学の研究者は、喉が乾く前に水を飲むことを推奨しています。 ただし、水分の過剰摂取を避けるために1時間のうちに飲む水の量を1Lまでです。 摂取量の目安は、午前中のうちに700cc程度、午後のうちにさらに700cc程度です。 尿の色が薄い黄色となるのを目安に飲水量を調節しましょう。

おしっこの回数から判断する

"European Journal of Clinical Nutrition" に掲載されたアルカンサス大学の研究によると、24時間以内の排尿回数が5回だと体内の水分が足りていますが3回だと水分が不足している恐れがあります。

ただし、体内の水分量と排尿回数との関係には運動量や健康状態も影響するため、おしっこの回数は水分不足の確実な指標というわけではありません。

水分補給には常温の水を!
よく冷えた炭酸水だと水分補給が不十分となる恐れ」によると、冷たい水や炭酸水で水分補給をしようとすると、すぐに喉の渇きが癒えてしまって水分補給が不十分となる恐れがあります。
水分不足に注意が必要となるケース
糖尿病の人

糖尿病の人は水分不足に注意が必要です。 血糖値が高いと、体は余分な糖を尿により体外に排出しますが、そのために尿量が増加するのです。 糖尿病になると異常に喉が渇くのもこのためです。

生理中の女性

経血の量が多いのも水分不足の原因となります。 コップに一杯ほど、普段よりも多く水分を摂るようにしましょう。

処方薬

高血圧の薬など一部の処方薬(医師の処方箋が無いと買えない薬)には尿量を増やす作用があり、そういった薬も水分不足の原因になります。 副作用として「下痢」や「嘔吐」などが記載されている薬を服用する場合にも水分不足に注意しましょう。

低炭水化物ダイエット

低炭水化物ダイエットとは、米や小麦などの炭水化物を食べる量を制限するという食事法のことです。 米やパスタなどの炭水化物を調理するときには大量の水を使用するので、食べたときに大量の水分も同時に摂っていることになります。 したがって、炭水化物を食べない人は食事を通して摂取する水分の量が少ないということになります。 低炭水化物を始めるときには水分不足に気を付けましょう。

ストレス

慢性的なストレスにさらされている人の体では、ストレス・ホルモンを生産する副腎が酷使されており、その状態が続くとやがては副腎機能不全になります。 副腎では、水分と電解質のバランスを維持する作用を持つアルドステロンというホルモンも生産されているため、副腎機能不全になると脱水や電解質量の低下などが起こります。

過敏性大腸症候群

過敏性大腸症候群(IBS)の患者に共通する症状として、吐き気と慢性的な下痢があります。 嘔吐と下痢はいずれも体内から水分が失われる原因となるので、IBS の人は積極的に水分を補給する必要があります。

老化

年を取ると、水分を保持する能力が衰えるうえに、水分が不足してもいても、それが喉の渇きとなって表れにくくなります。 加えて、認知能力に問題がある場合には水分補給を忘れてしまいます。 これらから、高齢者では特に意識して水分を補給する必要があると言えます。

水泳をした後

"Journal of Strength and Conditioning Research"(2016年3月)に掲載された研究によると、水泳で運動をした後にも喉の渇きを覚えにくいうえ、尿の色の濃さから脱水状態を正確に判断することができません。

飲酒

アルコールには利尿作用があるため、お酒を飲むと尿がたくさん出ます。 そして、排尿量が増えた分だけ、体内の水分が不足します。 このようなことになるのは、アルコールによって抗利尿性ホルモンの働きが阻害されるために、水分が体に行き渡らずに膀胱に直行してしまうためです。