「最新健康ニュース」のコンテンツを閲覧以外で利用する方は「引用・転載・ネタ探しをするときのルール」をご覧ください。

ナルシシストは自分に満足していない

(2016年3月) 世間的にはナルシシストというと自尊心の塊のように思われていますが、"Current Directions in Psychological Science" 誌に掲載されたアムステルダム大学などの研究によると、自尊心が強いというのとナルシシズムとは根本的に異なる性質です。

自尊心とナルシシズムの違い
研究者によると、ナルシシストは自分が他人よりも優れていると考えている(*)ものの自分に満足してはいません。 つまり、自分に満足するのが自尊心であるのに対して、自分が他人よりも優れていると考えるのがナルシシズムだというわけです。
(*) 厳密には、自分より優れている人が存在するという事実を受け入れられない。 頭ではわかっていても心が認めない。
自尊心が強い人の場合

自尊心が強いというのは自分自身に満足しているということであって、必ずしも自分が他人よりも優れていると感じていることを意味しません。 自尊心が強い人は自分が価値のある人間だと考えていますが、だからといって他人よりも自分の方が価値が高いとは考えていません。

自尊心が強い人は他者と親密な人間関係を形成することを好みますが、他者から賞賛されることばかりを望んではいません。 また、自尊心が強い人は他人に対して攻撃的であったり腹を立てたりすることが滅多にありません。

ナルシシストの場合
ナルシシストは親密で暖かな人間関係などというものを求めていません。 ナルシシストが他人に求めるのは賞賛だけであり、彼らは常に自分が他人よりも優れていることを示そうとします。
他人に負けることをひどく恐れもします。 そして常に優劣を気にします。

ナルシシストは他人に賞賛されると大喜びしますが、賞賛されないとなると恥じ入ったり、ときには腹を立てたり攻撃的になったりすることもあります。

ナルシシストの発生
このように明らかに良くない性質であるとされるナルシシストですが、自尊心が強い人と我々ナルシシストとでは、子供の頃の環境が顕著に異なることが知られています(*)。 過去数十年間で欧米の若者にはナルシシストが増加しています。
(*) 原文にはこの点に関する説明がありません。 家庭内暴力や愛情不足で子供がナルシシストになるという研究もありますが、2015年に "PNAS" 誌に掲載された研究(英文)によると、ナルシシストに育つ原因は親の愛情不足ではなく過大評価であるかもしれません。