減量手術後の味覚の変化が減量効果に寄与

(2014年4月) 減量手術を受けると食欲や、味覚、嗅覚に変化が生じることが知られていますが、"Obesity Surgery" 誌に掲載された研究によると、このような変化が体重の減少に寄与すると考えられます。

研究の概要
ルーワイ胃バイパス術を受けた103人の英国人を調査したところ、患者の97%に食欲の変化が、73%に味覚の変化が、そして42%に嗅覚の変化が生じていました。
ルーワイ胃バイパス術
胃バイパス手術(ルーワイ法)とは、重度の肥満者に対して用いられる減量手術のことです。 この手術では、胃を大きい部分と小さい部分の2つに分けて、小さい部分にも小腸を接続します。 食べた物は、小さい部分に入ったのち、胃の大きい部分と十二指腸(胃と小腸をつなぐ消化管)を迂回(バイパス)して、小腸に入ります。
結果の詳細
味覚の変化は特に甘味と酸味に強く現れていました。 具体的な食品では、鶏肉・牛肉・豚肉・焼肉・羊肉・ソーセージ・魚・ファーストフード・チョコレート・脂っこい食べ物・パスタ・米に関して味覚が変化していました(必ずしも嫌いになったというのではないようです)。
  • 103人のうちの3/4近くが特定の食品(特に肉類)を嫌いになっており、1/3が鶏肉、ミンチ、牛ステーキ、羊肉、ソーセージ、ベーコン、ハムを食べなくなりました。
  • 12%が、米やパスタ、パン、パン菓子類(パイやケーキなど)といったデンプン質と、乳製品(クリームやチーズ、アイスクリーム、卵など)嫌いになりました(デンプン質が嫌いという12%と乳製品が嫌いという12%が別途に存在していたのかどうか不明)。
  • 野菜が嫌いになった人は4%、果物が嫌いになった人は3%、魚の缶詰が嫌いになった人は1%でした。

減量手術後に特定の食品が嫌いになった人では、そうでない人に比べて、平均で8kgBMI にして3ポイント)余分に体重が減っていました。 このことから、減量手術後の味覚の変化が減量に寄与していると考えられます。

解説
研究者は、減量手術後に味覚や嗅覚が変化する理由として、消化管ホルモン(消化管粘膜内に存在する分泌細胞から分泌される各種ホルモン)の変化と中枢神経系の変化の複合的な影響ではないかと考えています。