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2型糖尿病は体重を減らせば治る。 15kg以上の減量で8割の寛解率

(2017年12月) "Lancet" 誌に掲載されたニューカッスル大学(英国)などの研究によると、体重を10kg以上減らすことで2型糖尿病を治せる可能性があります。

研究の方法

2型糖尿病と診断されてから6年以内でインスリン治療は受けていない20~65才の2型糖尿病患者298人(BMIのレンジは27~45)を次の2つのグループに分けて1年間を過ごしてもらいました:
  1. 低カロリーの食事でダイエットするグループ(以下「ダイエット・グループ」)
  2. 2型糖尿病の通常の治療のみを続けるグループ(以下「コントロール・グループ」)

2型糖尿病を治すための食事

ダイエット・グループは825~853kcal/日の食事(カロリー以外の栄養素は十分に摂る)を3~5ヶ月間続けて体重を10~15kg落としたのち、2~8週間をかけて普通の食事に戻し、その後は減った体重を維持するための食事を続けました。

「2型糖尿病が治った」の定義

1年後の時点で次の2つの条件を満たしていた場合を「2型糖尿病が寛解した」とみなしました:
  1. HbA1c値が6.5%(48mmol/mol)未満である。
  2. 2型糖尿病用の薬を服用しなくなってから2ヶ月間以上が経過している。

結果

1年間のうちにダイエット・グループは平均10kg体重が減りました。 コントロール・グループでも平均1kg体重が減っていました。

1年後に2型糖尿病が寛解していたのは、ダイエット・グループでは46%にあたる68人でした。 コントロール・グループでも4%にあたる6人が寛解していました。

全体的に(ダイエット・グループとコントロール・グループのトータル)、体重の減り方が多いほど寛解率が高くなっていました:
  • 体重が増えた76人: 寛解者ゼロ
  • 体重が0~5kg減った89人: 寛解者6人(7%)
  • 体重が5~10kg減った56人: 寛解者19人(34%)
  • 体重が10~15kg減った28人: 寛解者16人(57%)
  • 体重が15kg以上減った36人: 寛解者31人(86%)

副作用

ダイエット・グループでは4%にあたる7人で試験期間中に深刻な有害事象が生じました。 こうした有害事象のうちカロリー制限が関与していた可能性があるのは1人だけ(胆道疝痛と腹痛)でした。

解説

研究者によると、体重を相当に減らすことによって肝臓と膵臓で脂肪が減って機能が正常に戻るために2型糖尿病が治るのだと考えられます。

研究者は次のように述べています:
「体重を減らすのは2型糖尿病の病状管理に有効であるだけではありません。 体重を相当に減らせば糖尿病を寛解状態に持っていけます」

今回の研究チームが 今年の9月に ""The BMJ" に" 発表した論文によると、少なくとも一部の(おそらくは多くの)2型糖尿病患者にとって2型糖尿病は治る病気です。 研究チームによると、体重を15kgほど落とした状態を維持することによりβ細胞の機能が回復して2型糖尿病が完全に寛解するケースがしばしばあります。

2型糖尿病が完治不可能な病気であるとみなされているのは、2型糖尿病が完治したケースが報告されないことがあるためです。 なぜ報告されないのかと言えば、それは2型糖尿病を寛解とみなす基準が整備されていないために「2型糖尿病が寛解した」と報告することがためらわれるためだと考えられます。

関連記事

  • 今回の研究チームは 2015年に2型糖尿病は膵臓の脂肪を減らすと治るという研究を "Diabetes Care" 誌に発表しています。
  • "Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism" に発表された研究でも、運動プログラムとカロリー制限(500~700kcal/日減らす)と投薬を組み合わせることにより2型糖尿病が治ることがあるという結果になっています。 8週間の介入で27人中6人が、16週間の介入で27人中11人が寛解へと至っています。 コントロール・グループ(普段の生活を続ける)にも寛解に至った人が数名いました。
  • 2015年に "Nutrition & etabolism" 誌に掲載された研究(マウス実験)によると、カロリー制限によってオートファジーが発動し、それによってβ細胞が回復するのかもしれません。