ダイエットで体重を減らしても甘さに対する好みは変化しない

(2016年3月) "Obesity" 誌に掲載されたミシガン大学などによる研究で、ダイエットで体重を減らした後にも甘さに対する好みは変化しないという結果になりました。 体重の減少によって甘味嗜好が軽減されるなら、ダイエットで減らした体重の維持が楽になるはずでした。出典: Sweet taste preferences before and after an intensive medical weight loss intervention

研究の方法
BMIが32以上の成人20人(*)に低カロリー食によるダイエット(†)で体重を減らしてもらい、その前後で甘味に対する好みを調べました。

(*) 平均年齢は53才。 女性が14人。 BMI平均値は41.4。 人種は白人と黒人のみ。

(†) 12週間にわたって食事の代わりに甘味の付いたシェイクを飲んだ模様。 1日の摂取カロリーは800kcalという超低カロリー。
甘味の好みを調べるにあたっては、10段階の濃度の砂糖水(*)で口をゆすいでもらって、どの濃さの砂糖水が一番お気に召したかを尋ねました。
(*) 1.5%~57.7%の濃度。
結果
主な結果は次の通りです:
  • 肥満者に最も人気がある濃度は17.1%だった。
  • ダイエットで減った体重は平均13.3kg(11.3%)だった。
  • 当初の甘味の好みによって、ダイエットによる体重の減り方が違うということはなかった。(*)
  • ダイエット後にも甘味の好みは統計学的に有意といえるほどには変化していなかった。
  • 白人よりも黒人の方が強い甘味を好んだ。
    (*) 違ってはいたが統計学的に有意と言えない。 シェイクの甘味がこの結果に影響していた可能性もある。
解説

過去に行われた2~3の研究では、ダイエットあるいは減量手術(胃バイパス手術)による体重減少で甘味を感じやすくなる(少量の甘味料で満足する)可能性が示唆されています。

また、減量手術をすると味覚的な好みに変化が生じますが、今回の結果からすると、減量手術により味覚的な好みが変化するのは減量手術による体重減少が理由ではない(他のメカニズムによる)かもしれません。

留意点
研究チームは留意点として以下を挙げています:
  • 被験者数が少ない。
  • 超低カロリーのダイエットをもっと長期的に続ければ味覚の嗜好に変化が生じるかもしれない。
  • ダイエットで使用したシェイクの甘味が結果に影響した可能性もある。 今回の試験において甘いシェイクを繰り返し飲むことによって甘い味を好むようになり、その結果、体重減少による甘味嗜好の低下が相殺されたのかもしれない。 特定の味を何度も繰り返し経験するとその味を好むようになることが知られている