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成人後の体重の変化とガンのリスクの関係②

(2017年2月) "British Journal of Cancer" に掲載された米国立ガン研究所の研究で、20代から50代にかけて肥満が悪化した人は食道ガン(EA)または胃上部ガン(GCA)のリスクが数倍に増加するという結果になっています。 これらのガンはどちらも、生存率が低いことで知られています。

研究の方法
40万人超の男女(*)に、20才の時点、50才の時点、および現時点における体重と身長を報告してもらいました。 20才の時点と50才の時点の体重は記憶に基づきます。
(*) 年齢は不詳ですが50才超ということになりますね。

そして、身長と体重からBMIを算出して、EAとGCAの発生状況を追跡調査しました(何年間追跡したのかは不明)。

結果
主な結果は次の通りです:
  • 20才の時点でBMIが25を超えていたグループは、20才の頃から一貫してBMIが25未満だったグループに比べて、EAのリスクが1.76倍、GCAのリスクが1.62倍だった。
  • 20才の時点で1度の肥満だったのが50才の時点で2度の肥満になっていた(肥満が悪化していた)グループは、20才の頃から一貫してBMIが18.5以上~25未満だったグループに比べて、EAのリスクが2.9倍、GCAのリスクが4.07倍だった。
  • 20才の時点から調査が行われた時点までの間に体重が20kg増えていたグループでも、EAのリスクが2倍、GCAのリスクが1.4倍に増加していた。

今回の研究には体重の変化に関するデータを過去の記憶に依存しているという弱点があるため、今後の研究で今回の結果を確認する必要があります。

肥満とガン

肥満は喫煙に次いで大きなガンのリスク要因です。 肥満により、食道ガンと胃ガンだけでなく、結腸・腎臓・乳房・子宮・肝臓・胆嚢・膵臓・卵巣・甲状腺のガンのリスクも増加します。

国際がん研究機関(WHOの外部組織)が行った調査によると、2012年における新規ガン発生件数の3.6%に肥満が関与しています。 例えば閉経後の女性の乳ガンの10%は、肥満でなければ生じていなかったと考えられます。

500万人の英国人を調査した 2014年の研究("The Lancet" に掲載)でも、BMIが5ポイント(身長により異なるが15kg前後)増えるごとに、子宮ガンのリスクが62%、胆嚢ガンのリスクが31%、腎臓ガンのリスクが25%、子宮頸ガンのリスクが10%、そして甲状腺ガンと白血病のリスクがいずれも9%増加するという結果になっています。

肥満によりガンのリスクが増加する理由
肥満によりガンが生じやすくなる理由は多数あります。 例えば、次のようなものです:
  • 過剰な体脂肪により、性ホルモン(エストロゲンやテストステロン)が過剰に生産される。
  • 過剰な体脂肪により、インスリンが過剰に生産される。
  • 過剰な体脂肪により、炎症が促進される。
今回の研究者によると、肥満者で食道ガンのリスクが増加するのは、胃酸の逆流や胸焼けが長期的に問題となるためです。