食前に乳清タンパク質を摂っておくと食後の血糖値が急増しにくい

(2014年7月) "Diabetologia" 誌に掲載されたイスラエルの研究によると、食前に乳清タンパク質(ホエー蛋白質)を摂っておくと食後の血糖値の急増が軽減され、インスリン応答も改善されると思われます。

今回の研究は、タンパク質を摂取することによって、GLP-1(グルカゴン様ペプチド1)というインスリン生産を促進する胃腸のホルモンの分泌が促進されるという既知の現象に立脚して行なわれました。

この研究に被験者として参加した2型糖尿病患者15人はいずれも、糖尿病をきちんとコントロールできており、スルホニル尿素薬またはメトホルミン以外の糖尿病治療薬は服用していませんでした。

試験の内容は、被験者を2つのグループに分けて、50gの乳清タンパク質を250mlの水に溶かしたもの、またはプラシーボ(250mlの水)を朝食前に飲んでもらい、2週間を空けて今度はもう一方の飲み物を飲んでもらうというもの(クロスオーバー試験)でした。

乳清タンパク質(またはプラシーボ)を飲んだ後に食べた朝食の内容は、白パン(精白した小麦を原料とする)3切れと糖分の入ったゼリーというグリセミック指数が高いもので、食後の血糖値が激増するように意図されていました。

朝食の30分前(このときに乳清タンパク質を飲んだ)、朝食を出されたとき、および食事の15分後~180分後(30分おき)に採取した血液サンプルを分析した結果、食前に乳清タンパク質を摂取したときには摂取しなかったときに比べて、食後3時間(180分)の血糖値が28%低下していました。

さらに、インスリン応答と C-ペプチド(インスリンを構成する物質)応答がいずれも有意に(105%と43%)増加していました。 特筆すべきは、食後間もない時点(食後30分)でもインスリン応答が96%増加していたという点です。 糖尿病患者では、食後間もなくのインスリン応答の不足が特に問題で、食後の血糖値増加の主因となっています。


総GLP-1(total GLP-1)と iGLP-1(intact GLP-1)も、乳清タンパク質を食前に飲んだときのほうが有意に増加していました(141%と298%の増加)。

研究グループは次のように結論付けています:
「乳清タンパク質を、血糖値を低下させるための他の手段の効果を増強するための、安価で簡便な方法として用いることが出来る可能性がある。 この目的に用いる乳清タンパク質は、砂糖や他の余計な成分が含まれていない製品であれば、どこのメーカーのものでも良い」