全粒穀物に、様々な疾患で死亡するリスクを下げる効果

(2016年6月) "*BMJ*" に掲載されたインペリアル・カレッジ・ロンドン(英国)の研究(システマティック・レビュー)で、全粒穀物の摂取量が多い人は心血管疾患(心臓病や脳卒中)になるリスクや様々な疾患で死亡するリスクが少ないという結果になりました。出典: Whole grain consumption and risk of cardiovascular disease, cancer, and all cause and cause specific mortality...

研究の方法

全粒穀物摂取量と様々な疾患や総死亡率(死因を問わない死亡率)との関係について調べた45の研究のデータを分析しました。

データに含まれていた人数は70万人、冠動脈疾患の件数は7千件、脳卒中の件数は2千件、心血管疾患(*)の件数は2万6千件、ガンによる死亡件数は3万4千件、死亡件数は10万件ほどでした。
(*) 冠動脈疾患や脳卒中も心血管疾患の一種なのに冠動脈疾患や脳卒中とは別途に心血管疾患という項目があるのは、レビューに用いられた研究のなかに冠動脈疾患や脳卒中だけを調査項目としたものと心血管疾患をひとまとめにして調査項目としたものが混在するためでしょう。
結果
全粒穀物を1日あたり3食分(*)食べると次のようにリスクが下がる(†)という結果でした:

(*) 1食分は全粒パンであれば30g、調理後の全粒パスタは150g、調理後の玄米は195g。

(†) 統計学的に有意とならなかった項目(脳卒中になるリスクなど)は省かれています。
発症リスク
  • 冠動脈疾患になるリスク: -19%
  • 心血管疾患になるリスク: -22%
死亡リスク
  • 総死亡リスク: -17%
  • 脳卒中で死亡するリスク: -14%
  • ガンで死亡するリスク: -15%
  • 呼吸器疾患で死亡するリスク: -22%
  • 感染症で死亡するリスク: -26%
  • 糖尿病で死亡するリスク: -51%
全粒穀物の摂取量

全粒穀物摂取量と死亡リスクの関係を示すグラフにおいて、全粒穀物の摂取量がゼロの場合から全粒穀物摂取量が2食分の場合にかけて死亡リスクの変動を示すラインが最も急な傾斜となっていました。 したがって、全粒穀物を食べる習慣が無い人も少しは全粒穀物を食べるようにすると良いでしょう。

どのリスクも概ね、全粒穀物の摂取量が7.5食分(*)に至るまではリスクが低下し続けていたので、この程度までは全粒穀物の摂取量を増やしても問題ないと思われます。 ただし、糖尿病による死亡リスクに関しては、100g/日あたりでリスクが最低となっていました。
(*) 例えばスパゲティーの場合、茹でると重量が2.5倍になります。 したがって乾麺で60gがスパゲティーの1食分ということになります。1回の食事で食べるスパゲティーの量が乾麺で120gだとすると、1回の食事で全粒穀物を2食分ほど摂れることになります。 3度の食事をすべて全粒穀物にして6食分という感じでしょうか。