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ワインでも痛風発作のリスクが増加

(2014年2月) "The American Journal of Medicine" に掲載された研究によると、ワインでも痛風発作のリスクが増加すると考えられます。

2004年に 47,000人を対象に行われた研究では痛風の原因となるのはお酒の中でもビールや蒸留酒であって、ワインは大丈夫だという結果が出ていますし、その他の研究でも、すでに痛風患者である人でもワインであれば発作の原因とはならないことが示されてきました。

研究の方法

今回の研究では、全米の痛風患者 724人(男性78%)を対象にアンケートを数カ月おきに実施して、痛風発作の短期的なリスクに対するあらゆる種類のアルコール飲料の影響を調査しました。 アンケートの項目は、痛風の発作・薬の服用・運動習慣・飲酒習慣・食事などでした。

結果

アンケート結果を分析したところ、飲酒量に比例して、24時間以内に痛風発作が起こるリスクが増加していました。

飲酒量が1杯だけであれば、痛風発作が起こるリスクはあまり増えていませんでしたが、24時間以内に1杯超~2杯を飲んだ場合にはリスクが36%増加し、2杯超~4杯であれば50%増加していたのです。
訳注

1杯超~2杯 - one to two drinks
2杯超~4杯 - two to four drinks

直訳すると「1杯~2杯」、「2杯~4杯」となりますが、それだと「1杯」と「1杯~2杯」と「2杯~4杯」で飲酒量の範囲が重複してしまうため、「~超」と付け足しました。

さらに、少なくとも男性にとっては、従来の研究結果に反してワインが痛風発作の一番のリスク要因でした。 (男性の痛風患者の場合)ワイン1杯超~2杯を日常的に飲んでいる人では痛風発作のリスクが138%(2.38倍に)増加していたのです。 (たぶん男性の痛風患者の場合)ビールでは、2杯超~4杯を飲んでいる人で75%のリスク増加でした。

アルコール度数がビール5%に対してワイン12.5%だとして、ワインの「1杯」とビールの「1杯」はアルコール量が同程度ですから、男性の場合、(摂取するアルコールの量を基準にすると)ビールの半分の量のワインでも、痛風発作のリスクがビールよりも高くなるということですね。

研究者によると痛風患者の中には、「ワインの匂いを嗅ぐだけで痛風の発作が起きる」と言う人すら存在します。

女性に関しては今回の結果を鵜呑みにできない

今回の結果では、女性の場合、適量の飲酒(女性では1杯、男性では2杯)であれば痛風発作のリスクは有意には増えていませんでしたが、今回の研究に参加した女性の数が少な過ぎる(724人のうちの22%に過ぎない)という問題があります。(女性に関しては信頼度の高い結果だとは言えません)

研究者と専門家のコメント
研究者は次のように述べています:
「今回の研究では、アルコール飲料の種類に関わらず(ワインでも)、①飲酒によって痛風発作のリスクが増加すること、そして②適量の飲酒でも痛風発作のリスクが増加することが示されました」

過去の複数の研究でワインなら大丈夫だという結果になった理由について研究グループは、「ワインしか飲まない人では、例えばビールしか飲まない人よりも、食生活や生活習慣(運動をする、タバコを吸わないなど)が全体的に健康的である傾向にあるからではないか」としています。

ただし、2004年の研究を行ったハーバード大学の研究者は今回の研究に関して次のようにコメントしています:
「我々の研究でも食生活は当然考慮に入れていました。 したがって、今回の研究と我々の研究との結果の違いが食生活にあるとは考えにくいですなあ」
この発言に対して今回の研究者は次のように反論しています:

「あらあら(ハーバード大学の研究者は)何をおっしゃっているのかしら。 あちら様の研究で考慮したものと言えば、赤身の肉や海産物など痛風に関与すると考えられる食品だけですのよ? (あちら様の研究では)加工食品とかの食品は考慮していませんし、喫煙習慣や運動習慣の有無などの食生活以外の生活習慣についても(わたくしどもの研究と違って)考慮なさっておりません。

これらの様々な要因を考慮しなくては、ワインの痛風への影響を正確には判断できないんじゃありませんこと?」