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冬に心臓発作が増えるのは褐色脂肪の活性化が原因?

(2013年7月)冬季には心臓疾患で亡くなる人が増えますが、"Cell Metabolism" 誌に掲載されたカロリンスカ研究所(スウェーデン)などの研究によると、これは寒さで褐色脂肪が活性化してアテローム性動脈硬化のプラークが増えるのが原因かもしれません。

冬季に心血管疾患による死亡者数が増加することは昔から知られていましたが、その原因として考えられていたのは、雪かきの頑張り過ぎや運動不足などでした。

褐色脂肪とは

ヒトやマウスの脂肪には、白色脂肪と褐色脂肪があります。 白色脂肪がカロリーを貯蓄するのに対して、褐色脂肪は脂肪を燃やしてカロリーを消費し体温を上げてくれます。 そして、褐色脂肪における脂肪を熱に変換するプロセスは気温が低くなると活性化します。

褐色脂肪の活性化は、余分な脂肪を減らしてくれるので、これまで健康によいと考えられてきましたが、今回の研究によると必ずしもそうではなく、最終的には血管に蓄積する脂肪が増加します。 そのために、気温が下がる冬にはアテローム性動脈硬化の形成が促進され、心筋梗塞や脳内出血のリスクが増加すると考えられます。

研究の概要

アテローム性動脈硬化になりやすいように遺伝子を改造されたマウスを用いた実験により、マウスの褐色脂肪において寒さにより脂肪酸の分解が活性化するために、血中のLDL(悪玉コレステロールの成分)が増加してプラークに蓄積される脂肪が増加することが示されました。

さらに、寒さによってプラークが不安定になり破裂しやすくなっていました。 プラークが破裂すると、プラークに蓄積されていた脂肪が血中に流出し、心臓や脳の血管を塞ぐことになります。

今回の実験にはマウスを用いましたが、ヒトでも同じ結果になる可能性があります。 ヒトでも同様である場合には、既存の薬の中に褐色脂肪の活性を阻害するものが複数あるので、そういう薬で冬季の心臓疾患のリスクを下げられるかもしれません。