携帯電話の使用歴が長いと脳腫瘍のリスクが増加

(2014年11月) "Pathophysiology" 誌に掲載されたエレブルー大学病院(スェーデン)の研究で、携帯電話の使用歴の長さとグリオーマ(神経膠腫)という脳腫瘍の一種が生じるリスクとが比例関係にあり、携帯電話を25年超にわたって使用し続けている人では、使用歴が1年未満の人に比べてグリオーマのリスクが3倍になるという結果になりました。

過去に携帯電話各社の資金提供により International Agency for Research on Cancer がに行った大規模な研究(2010年に発表された)では、今回の結果とは対照的に、携帯電話の使用と脳腫瘍リスクとの間に関係は認められないという結果になっていました。

今回の研究

今回の研究では、悪性脳腫瘍の患者 1,498人(平均年齢52才。男性879人。グリオーマ患者 1,380人)と悪性脳腫瘍の無い人たち 3,530人(男性1492人。平均年齢54才。 以下「対照群」)とで携帯電話やコードレスフォンの使用状況を比較しました。

比較の結果、携帯電話の使用歴が25年を超えるグループでは、使用歴が1年未満のグループに比べてグリオーマのリスクが3倍に増加していました。 また、無線電話(携帯電話とコードレスフォン)の累積使用時間が0~122時間のグループに比べて、累積使用時間が 1,486時間を超えるグループではグリオーマのリスクが2倍でした。

グリオーマ以外の悪性脳腫瘍については、携帯電話の使用とのあいだに相関関係が見られませんでした。

留意点
  • 無線電話でグリオーマのリスクが増えるといっても、グリオーマはそもそもの絶対リスクが低いため、相対リスクが2倍や3倍になっても絶対リスクで言えば依然として低い数字です。

    2012年に "European Journal of Cancer" に発表された研究によると、1995~2002年において悪性腫瘍(種類を問わない)と診断された人の率は 0.005%(絶対リスク)に過ぎません。 これが3倍になっても、0.016%(相対リスク)でしかないというわけです。 0.016%というのは10万人あたり16人という割合です。
  • 今回のような研究には、データを数十年間にもわたる過去に関する参加者の記憶に依存しているという弱点があります。
  • 米国では携帯電話の使用率が 2000年から 2010年にかけて3倍に増加していますが、米国における脳腫瘍の罹患率は増加していません。