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森林浴が心身の両面に作用してリラックス効果を発揮

(2016年8月) 長野県で行われた研究で、森林浴がリラックス効果を発揮する理由が調査されています。

研究の方法

8月下旬に、平均年齢50才ほどの中年男性19人にまず、長野県の市街地の歩道でウォーキングをしてもらいました。 そして、(市街地でのウォーキングの影響を消すために)1週間の空白期間を設けたのち、長野県のとある森林公園でウォーキングを満喫してもらいました。

どちらのウォーキングでも、正午近くと午後の2回にわたり数kmの距離を1時間半近くの時間をかけて歩いてもらいました。 被験者間の会話は禁止されていました。

それぞれのウォーキング環境

市街地の歩道は車道沿いのため道幅が狭く、全体的に灰色でした。 8月の太陽が容赦なく照りつける環境のなか、他の通行人の迷惑にならないよう無言で黙々と一列になって歩きました。 平均気温は、昼が31℃で午後が33℃でした(午後の最高気温は37℃超)。

森林公園は歩きやすいように道が整備されていて、小鳥の鳴き声や小川のせせらぎが聞こえていました。 天気が悪かったため森の中にしても気温が低く、2回のウォーキングのいずれでも平均気温は20℃を下回っていました。
検査の内容
  • ウォーキングの前後(計4回)に血液と尿の検査を行い、コレステロール値や血糖値などを調べた。
  • ウォーキングの途中で血圧と脈拍を計測した。
  • ウォーキングの前後および途中で、気分を調べるためのアンケートを実施した。
  • 両グループそれぞれについて、ウォーキング中に周囲の温度と湿度を計測した。
結果
森林公園でウォーキングを楽しんだときには、市街地で真夏の歩道を排気ガスに悩まされつつ歩いたときに比べて:
  • 脈拍が少なかった。
  • 元気で活力的だった。歩く前に比べても元気になっていた。
  • 抑鬱度・疲労度・不安感などが低かった。 不安感については、市街地でも森林公園でもウォーキング後に減っていた。
  • アドレナリンが少ない傾向にあり、ドーパミンが多かった(リラックスできた)。
  • アディポネクチンが増えていた。 市街地を歩いたときにはウォーキング前より減っていたが、森林公園を歩いたときにはウォーキング前よりむしろ増えていた。
    アディポネクチン
    アディポネクチンは脂肪組織で作られるホルモンで、抗炎症作用とインスリンの効果を高める作用があります。 肥満者・2型糖尿病患者・心血管疾患患者ではアディポネクチン血中濃度が低くなることが知られています。 アディポネクチン血中濃度とガンの発症リスクや死亡リスクとの間に関係があるというデータ(必ずしも良い関係ばかりではない)もあります。

血圧・血糖値・コレステロール値などには、両グループで差がありませんでした。

結論
上記の結果を総合すると、森林浴が心身の両面に作用してリラックス効果を発揮すると考えられます。 研究チームは、森林浴を寒くない日に行うことを推奨しています。