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仕事による心身の損耗が定年退職後の入院率に影響

(2013年12月) "Age and Ageing" 誌に掲載されたフィンランドの研究によると、仕事による肉体の酷使(汗をかく、筋肉を酷使する、心肺機能を要求されるといった過酷な肉体作業)または精神的なストレス(締め切りや納期などの期限、要求される水準の高さ、裁量権の少なさ)によって定年退職後に入院するリスクが増加します。

研究の方法

フィンランド人の中年公務員 5,000人のデータを分析しました。

結果

中年のときに感じるストレス(特に肉体の酷使)が大きかったグループでは、年を取ってから入院する人の割合が多くなっていました。

例えば、1,000人あたりの年間入院日数は、仕事による肉体の酷使が少ない男性のグループでは8日間ほどだったのに対して、仕事による肉体の酷使が大きい男性のグループでは13日間でした。 そして、このようなストレスと入院日数の関係が(退職後でもはや仕事のストレスが存在しない)65才以降にも見られました。

肉体の酷使に関しては男性でも女性でも入院リスクが増加していましたが、精神的ストレスに関しては男性でのみ入院リスクが増加していました。
肉体の酷使によって増加するのは主に筋骨格(筋肉、骨、腱、靱帯、間接、軟骨)の損傷だと考えられます。 筋骨格の損傷は回復することなく変形性関節症の原因となることがあります。 高齢者の入院の理由として変形性関節症はかなりの割合を占めています。

一方、精神的なストレスが大きかったグループでは、心臓疾患が増えていました。 心臓疾患も入院の原因となります。

コメント
研究者は次のように述べています:

「何がどの程度のストレスになるかは人によって異なるため、同じような仕事をしている人たちであってもストレスには個人差があります」

「老後に頻繁に入院する人は現役で働いていた中年の頃(28年前)のことを実際よりもネガティブに記憶している(現役時代に感じていたストレスを過大評価している)可能性があります」

「今回の研究では、①福祉が非常に発達している国(フィンランド)の②公務員のみを分析しました。 フィンランドの公務員の労働環境は世界で最も恵まれているでしょうから、民間の企業で働く人や、福祉が整っていない国の人の場合には、仕事による肉体的・精神的なストレスの影響はもっとひどいと考えられます」

「ときどきストレスを感じるというのは必ずしも悪いことではありませんが、大きなストレスを常に感じているというのは健康に良くありません」