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職種も認知症のリスク要因

(2015年4月) "Neurology" 誌オンライン版に掲載された研究によると、記憶力と思考力の衰え方には仕事の内容も大きく影響します。 戦略立案・対立の解消・マネージメントなどを要求される仕事をしている人の方が認知能力が衰えにくいというのです。出典: Challenging Work Tasks May Have an Upside for the Brain

研究の方法
この研究では、75才超の男女 1,054人の職歴を調査して、各自の仕事で次の3種類のタスク(作業)がどれだけ必要とされていたかを調べました:
  1. 管理タスク(executive)
    スケジュール調整・戦略立案・対立の解消などが絡むタスク。
  2. 言語タスク(verbal)
    情報の評価および解釈に関わるタスク。
  3. 流動タスク(fluid)
    選択的注意(様々な情報の中から自分に必要な情報だけを取り出すこと)とデータ分析が関与するタスク。

そして、8年間にわたって1年半おきに Mini-Mental State Examination(MMSE) と呼ばれるテストで記憶力と思考力を検査しました。

結果

仕事に要求されていたタスクとMMSEスコアとの関係を調べたところ、思考力および記憶力が最も良好だったのは3種類のタスクすべてが高度な仕事をしていたグループで、タスクの程度が最低レベルだったグループに比べて(おそらく8年間の追跡期間の最初の時点で)スコアが2ポイント高くなっていました。 MMSEのスコアは僅かに下がるだけでも臨床的に有意な悪影響があります。

3種類のタスクすべてが高度だったグループは認知機能の低下率も少なく、これらのタスクの程度が最低だったグループに比べて8年間における低下率が半分でした。

記憶力および思考力の衰えは、3種類のタスクの中でも特に管理タスクと言語タスクが高度な仕事をしていた人で抑制されていました:
  • 管理タスクが高度な仕事をしていたグループは管理タスクが低度な仕事をしていたグループに比べて、MMSEのスコアが追跡開始の時点では2ポイント、そして8年後には5ポイント高くなっていた。(つまり、8年間におけるMMSEスコアの低下幅に3ポイントもの開きがあった)
  • 言語タスクが高度な仕事をしていたグループは言語タスクが低度な仕事をしていたグループに比べて、(8年間における)MMSEスコアの低下幅が平均で2ポイント少なかった。
認知症のリスク要因としては教育水準がよく知られていますが、今回の研究によると教育よりも仕事の内容の方が認知症のリスク要因として大きい可能性があります。
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