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ヤクルトに心理的ストレスを軽減する効果?

(2016年5月) "Applied and Environmental Microbiology" 誌に掲載されたヤクルト社などの研究によると、乳酸菌の一種であり生きて腸まで届くことで有名なラクトバチルス・カゼイ菌シロタ株に心理的なストレスが引き起こす不快な胃腸症状を緩和する効果が期待できます。

研究の方法

医学生47人を2つのグループに分けて学業試験の8週間前から毎日、一方のグループにはL.カゼイ菌シロタ株で発酵させた乳飲料(以下「ヤクルト」)を、そしてもう一方のグループにはプラシーボとして味・色・栄養は似ているが非発酵性の乳飲料を飲んでもらいました。

そして両グループを対象に、5つの一般的な腹部症状(腹部の不快感や痛みなど)に関するアンケートと不安感の程度に関するアンケートを毎週実施しました。

さらに、8週間の前後に唾液検査や血液検査などを行って、コルチゾール(ストレス・ホルモン)の量・遺伝子の発現状況・腸内細菌叢などを調べました。

結果
胃腸症状と主観的なストレス

ヤクルトを飲んだグループでは、①胃腸の痛みと機能不全、および②心理的なストレスが軽減されていました。 唾液中に含まれるコルチゾールの量も減っていました。

ストレス遺伝子

プラシーボを飲んだグループでは学業試験の日が近づくにつれてストレスに関与する遺伝子群の発現量が急増していましたが、ヤクルトを飲んだグループではそれほどでもありませんでした。

腸内細菌

プラシーボのグループでのみ学業試験が近づくと、腸内細菌の一種であるストレスに関与しているバクテロイデス科の細菌(Bacteroidaceae)が増加していました。 ヤクルトを飲んだグループの方が8週間のあいだずっと、腸内細菌叢が健康的で多様性に富んでいました。

解説
ヤクルトが腸内細菌叢を介して心理的なストレスの軽減に効果を発揮したのではないかと思われます。