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大声で子供を叱りつけるだけでも親に対して攻撃的な子供に育つかも

(2015年6月)"Development and Psychopathology" 誌に掲載された南カリフォルニア大学の研究によると、子供に向かって大声を出す(怒鳴る・叫ぶ・わめく)ということを日常的に行っていると、攻撃性に対して鈍感で親に手を上げるような子供に育つかもしれません。

研究の方法

この研究では、両親の一方または両方が攻撃的である10代の若者21人を被験者として追跡調査を行いました。 被験者の親の攻撃性の程度は様々で、その攻撃性が向けられる方向は配偶者または子供(被験者)でした。

研究ではまず、被験者が15才のときに「争い」をテーマとして家族とディスカッションを行う様をビデオで撮影しました。 さらに、被験者とは面識の無い同年代の子供が別のディスカッションを行うビデオも作成しました。

2年後に上記の2種類のビデオを被験者に見せて、ディスカッションの各参加者(親・自分・同年代の子供)の立場に立ったときの感情を想像してもらいました。 そして被験者が各参加者の感情(の強さを?)1~4点で評価しているときの脳の様子をMRI(磁気共鳴画像法)で撮影しました。

MRI撮影を行ったのち日を改めて、被験者が家庭内での(これまでに実際に生じた)争いにおいて親に対してどれくらい攻撃的に振る舞ったかを尋ねました。

結果

親の攻撃性にさらされていた被験者は、ビデオを観ているときの脳の感情を処理する領域の反応が抑制されていて、親に対して攻撃的に振る舞うことが多い傾向にありました。 親の攻撃性が最も強かったグループで感情の反応が最低レベルで、親に対する攻撃的な振る舞いも他のグループよりも多くなっていたのです。

結論

今回の結果から、物理的な暴力を伴っていなくても親の攻撃性にさらされて育つストレスは子供に悪影響を及ぼし、親に対して攻撃的な人間に育つ可能性があります。

ただし研究者は「攻撃的な家庭で育った子供がみな攻撃的な大人に育つわけではない」と述べています。