若い偏頭痛患者では高確率でビタミンやコエンザイムQ10などが不足

(2016年6月) 米国頭痛学会で発表されたシンシナッティ子供病院の研究によると、偏頭痛の子供~青年は高い確率で、ビタミンDなど細胞の成長および維持に必要なエネルギーを作り出すのに用いられる数種類の物質が少し不足していると思われます。

ただし、これらの物質の不足が偏頭痛の発生に関与しているかどうかは不明です。 これまでの研究で偏頭痛の発生に一部のビタミンの過不足が影響する可能性が示されていますが、ビタミン類の補給により偏頭痛を予防しようとした研究では、ビタミン類に効果があるという結果になったり効果が無いという結果になったりしています。

研究の方法
シンシナッティ子供病院の頭痛センターで治療を受けた子供~青年(平均年齢13才)の偏頭痛患者のデータを調べました。 このデータに含まれていたのは、偏頭痛への関与が疑われているビタミンD・リボフラビン・コエンザイムQ10(*)などの血中濃度です。
(*) コエンザイムQ10(ユビキノン)は人体のあらゆる細胞に存在する脂質のような物質です。 細胞内のミトコンドリアが栄養素と酸素からエネルギーを取り出すにはコエンザイムQ10が必要です。 コエンザイムQ10には抗酸化作用もあると考えられてきたため、様々な疾患や老化に対して効果があるとしてサプリメントが販売されています。
結果
  • リボフラビンのの血中濃度を測定した患者 7,691人のうち、リボフラビンが不足していたのは15%、 リボフラビンの血中濃度が補給が必要とされる10nmol/ml以下だったのは40%超でした。
  • コエンザイムQ10の血中濃度を測定した患者 7,116人のうち、コエンザイムQ10の血中濃度が基準値の下限以下(0.5mcg/mL)にあったのは30%、コエンザイムQ10の補給が推奨される0.7mcg/mLという血中濃度を下回っていたのは70%超でした。
  • ビタミンDの血中濃度を測定した患者 4,569人のうち、ビタミンDが不足気味(30ng/ml以下)だったのは68%、ビタミンDが完全に欠乏していた(10ng/ml以下)のは3%でした。
患者層による違い
  • コエンザイムQ10は男性よりも女性で不足しがちでした。
  • ビタミンDは女性よりも男性で不足しがちでした。
  • 慢性偏頭痛(*)の患者は突発性偏頭痛(†)の患者に比べて、コエンザイムQ10とリボフラビンが不足している傾向にありました。

    (*) 偏頭痛の症状が出るのが1ヶ月のうち15日以上の偏頭痛。

    (†) 偏頭痛の症状が出るのが1ヶ月のうち14日以下の偏頭痛。