亜鉛の摂取量が多いと心臓病や脳卒中になるリスクが増える?

(2018年1月) "Nutrients" 誌に掲載されたニューカッスル大学(オーストラリア)の研究で、食事で摂取する亜鉛の量が多い女性は心血管疾患(心臓病や脳卒中)のリスクが高いという結果になっています。

研究の方法

オーストラリアに住む50~61才の女性 9,264人を対象に、食生活のアンケート調査により亜鉛の摂取量などを調べ、その後6年間にわたり心血管疾患の発生状況を追跡調査しました。

そして、カロリー摂取量を考慮した亜鉛摂取量に応じてデータを5つのグループに分け、グループ間で心血管疾患になるリスクを比較しました。 データの分析においては、心血管疾患のリスクに影響する色々な要因(*)も考慮しました。
(*) 年齢・生活習慣・BMIなどのほか、マルチビタミンやマルチミネラルのサプリメントを服用しているか否かも考慮した。

結果

追跡期間中に320件の心血管疾患が発生しました。

亜鉛摂取量

亜鉛摂取量が最少のグループに比べて最大のグループは、心血管疾患になるリスクが67%増加していました。

亜鉛摂取量:鉄摂取量

鉄と亜鉛が体内での利用において相互に干渉することが知られていますが、亜鉛摂取量:鉄摂取量(鉄の摂取量に対する亜鉛の摂取量)が最高(1.21)のグループは最低(0.69)のグループに比べて、心血管疾患になるリスクが72%増加していました。 亜鉛摂取量が最大のグループは鉄の摂取量も最大でした。 そして、亜鉛や鉄の最大の摂取源は肉(*)でした。

(*) 原文の書き方からして、おそらく赤身肉の意味で使われている。

解説

亜鉛が豊富な食品はその他の微量栄養素(鉄など)も豊富に含むため、亜鉛の摂取量が増えるとその他の微量栄養素の摂取量もおのずと増えます。 したがって、今回の研究だけでは亜鉛により心血管疾患のリスクが増加するのか、それとも亜鉛などの微量栄養素を大量に含有する食品(赤身肉)により心血管疾患のリスクが増加するのかは明確ではありません。