(2018年5月) 中国の研究グループが米国のデータを用いて亜鉛の摂取量と高尿酸血症のリスクとの関係を調べた結果が "Nutrients" 誌に掲載されています。
高尿酸血症とは
高尿酸血症とは尿酸の血中濃度が異常に高い状態のことです。 高尿酸血症になると、痛風や腎結石のリスクが増加します。 高い尿酸値が慢性的に続く場合には腎不全のリスクも増加します。 心血管疾患(心臓病や脳卒中)のリスクが増加するのではないかとも考えられています。 また、高尿酸血症の人はメタボリック・シンドロームであることが少なくありません。
研究の方法
米国に住む20才以上の男女2万5千人を対象に、過去24時間における食生活を尋ねたり尿酸の血中濃度を調べたりしました。
そして、亜鉛の摂取量に応じてデータを5つのグループに分けて、高尿酸血症のリスクに影響する要因を考慮しつつ、亜鉛摂取量と高尿酸血症の有無との関係を分析しました。
尿酸値が男性では7.0mg/dL以上、女性では6.0mg/dL以上の場合を「高尿酸血症である」とみなしました。
結果
男性
亜鉛の摂取量が最低(7.3mg/日未満)のグループに比べて、摂取量が多い3つのグループでは高尿酸血症のリスクが次のように低くなっていました:- 10.3mg~13.5mgのグループ: -17%
- 13.5mg超~18.5mg未満のグループ: -15%(95% CI: 0.71-1.00)
- 18.5mg以上のグループ: -22%
女性
亜鉛の摂取量が最低(5.4mg/日未満)のグループに比べて、摂取量が上から2番目(9.6~12.9mg/日)のグループでのみ高尿酸血症のリスクが低い(-22%)という結果でした。