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亜鉛の摂取量が多い人はガンなどで死亡するリスクが高いのか?

(2017年10月) "European Journal of Nutrition" に掲載された江蘇省疾病預防控制中心(中国)などによる研究で、亜鉛の摂取量が多い人はガンなどで死亡するリスクが高いという結果になりました。

研究の方法

中国に住む20才以上の男女 2,832人を対象に、亜鉛などの摂取量を調べたのち平均10年間近くにわたり生存状況を追跡調査しました。

そして、カロリー摂取量に対する亜鉛の摂取量に応じてデータを4つのグループに分けて、グループ間で死亡リスクを比較しました。

結果

追跡期間中に184人が死亡しました。 このうちガンのために死亡したのは63人、心血管疾患(心臓病や脳卒中)のために死亡したのは70人でした。

総死亡リスク

亜鉛の摂取量が最も少ないグループに比べて、摂取量が多い他のグループでは次のように総死亡リスク(死因を問わない死亡リスク)が増加していました:
  • 摂取量が最も多いグループ: +85%
  • 摂取量が上から2番目のグループ: +55%(統計学的な有意性が微妙)
  • 摂取量が上から3番目のグループ: +80%

ガンで死亡するリスク

亜鉛摂取量が最も少ないグループに比べて摂取量が最も多いグループでは、ガンで死亡するリスクが+128%(2.3倍近くに)増加していました。

心血管疾患で死亡するリスク

亜鉛摂取量と心血管疾患で死亡するリスクとの間には関係が見られませんでした。

留意点

この記事は論文要旨(アブストラクト)のみに基いて書かれたものであるため、各グループの亜鉛の摂取量も、今回の結果を研究チームがどのように解釈しているのかも不明です。

検索で調べたところ、先進国の成人を対象に亜鉛の摂取量と死亡リスクとの関係を調べた研究はあまり行われていないようですが、亜鉛の摂取量が多いとガンによる死亡リスクが低いという研究がいくつか見つかりました:
  1. 鼻咽頭ガンの治療を受けている患者が亜鉛のサプリメントを服用すると生存率が向上した。("Laryngoscope" 2009年)
  2. 前立腺ガンの患者は亜鉛の摂取量が多いほうが死亡リスクが低い。("American Journal of Clinical Nutrition" 2011年)
  3. カルシウム摂取量が多く亜鉛摂取量が少ないベジタリアンはカルシウム摂取量が少なく亜鉛摂取量が多いベジタリアンよりも、食道ガンで死亡するリスクが低い。("Epidemiology" 1992年)