亜鉛のトローチで風邪の諸症状の期間が短くなる

(2015年3月) "BMC Family Practice" 誌に掲載されたヘルシンキ大学(フィンランド)などが行ったメタ分析によると、亜鉛(酢酸亜鉛)のトローチが風邪の症状を早く治すのに有効だと思われます。

以前に行われたメタ分析(3つの臨床試験のデータを分析した)で、高用量の酢酸亜鉛のトローチによって風邪の症状が継続する期間が42%短縮されるという結果になっています。

研究の方法

今回のメタ分析では以前のメタ分析と同じ3つの臨床試験のデータを用いて、亜鉛の風邪に対する効果を症状別に分析しました。

3つの臨床試験における亜鉛の用量は1日あたり80~92mgで、試験の調査項目は7つの呼吸器症状および3つの全身症状でした。

結果

亜鉛のトローチを用いた場合の各症状の期間短縮率は次の通りでした:

  • 鼻水 - 34%
  • 鼻詰まり - 37%
  • くしゃみ - 22%
  • 喉の痒み - 33%
  • 喉の痛み - 18%
  • しわがれ声 - 43%
  • 咳 - 46%
  • 筋肉痛 - 54%

頭痛と発熱については効果が見られませんでしたが、この2つについてはデータが不十分であったため確定的なことは言えません。

解説

酢酸亜鉛は口内で溶けて唾液中に亜鉛イオンを放出します。 そのため亜鉛の効果は、亜鉛イオンの濃度が高くなる咽頭の辺りに生じる症状(喉の痛みなど)に対して顕著だと考えられましたが、喉以外の症状にも亜鉛イオンの効果が同程度に見られました。

3つの試験において亜鉛の副作用が軽微であったことから、風邪をひいてから24時間以内に酢酸亜鉛のトローチを使用するのが風邪の治療に有効だと思われます。 トローチの用量は亜鉛イオンの放出量が1日あたり80mgとなる程度とし、亜鉛のトローチの継続使用は2週間未満に留めるのが良いでしょう。