閲覧以外で当サイトのコンテンツを利用する場合には必ず引用・転載・ネタ探しをするときのルールに目を通してください。

糖尿病や肥満の人では亜鉛がコレステロール改善に有益

(2015年8月) "Nutrition & Metabolism" 誌に掲載されたコロンボ大学(スリランカ)などによるメタ分析で、亜鉛がコレステロール値の改善に有益であるという結果になりました。

亜鉛について

亜鉛はインスリンの作用と糖質の代謝において重要な役割を果たすほか、アテローム性動脈硬化(心臓病や脳血管の疾患などのリスク要因となる)に見られるアテロームの形成を阻止する作用も期待されています。 亜鉛が欠乏すると血管内皮細胞が酸化ストレスに弱くなります。

亜鉛の補給がヒトの血中脂質に及ぼす影響に関しても複数の研究が行われていますが、それらの結果は様々です。 2010年に発表されたメタ分析では、亜鉛の補給によって総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、トリグリセライドのいずれも改善されず、さらにHDL(善玉)コレステロールが2型糖尿病患者では増加するものの健康な人では減ってしまうという結果になっています。

亜鉛の欠乏は発展途上国に多く見られます。 先進国では重度の亜鉛欠乏症は稀有ですが、軽度の欠乏は比較的一般的であると考えられます。

メタ分析の方法

亜鉛の補給が血中資質に及ぼす効果を調べた研究のうち 2014年12月までに発表されたものの中から一定の基準を満たす24の研究のデータを分析しました。

24の研究はいずれもヒトを対象に行われた臨床試験で、被験者数は合計で 14,515人、亜鉛の服用期間は1ヶ月~7.5年間、亜鉛の服用量は15~240mg/日でした。

結果
亜鉛を服用したグループとプラシーボを服用したグループの差は次のようなものでした:
  • 総コレステロール: -10.92mg/dl (95 % CI: -15.33,-6.52; p < 0.0001, I² = 83%)
  • HDLコレステロール: +2.12mg/dl (95 % CI: -0.74,4.98; p < 0.15, I² = 83%)
  • LDLコレステロール: -6.87mg/dl (95 % CI: -11.16,-2.58; p < 0.001, I² = 31%)
  • トリグリセライド: -10.92mg/dl (95 % CI: -18.56,-3.28; p < 0.01, I² = 69%)

総コレステロール、LDLコレステロール、およびトリグリセライドに関しては亜鉛を服用したグループで統計学的に有意に下がっていましたが、HDLコレステロールの増加に関しては有意とは言えない結果でした。

ただし、不健康(主に2型糖尿病と肥満)な人のデータ(785人)だけに限ると、亜鉛の補給により(+6.15mg/dl [95 % CI: 2.38, 9.92; p < 0.05], [I² = 85, p < 0.05]) HDLコレステロールが有意に増加していました。 その一方で、健康な人に限るとHDLコレステロールは減少していました。

結論
アテローム性動脈硬化になるリスクが高い不健康な人で特に、アテローム性動脈硬化が関与する疾病や死亡のリスクを減らすのに亜鉛の補給が有効かもしれません。