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亜鉛のサプリメントで高齢者の免疫機能が改善

(2016年1月) 加齢により免疫系が衰え感染症になりやすいこと、そして亜鉛が不足すると免疫力が特に高齢者で損なわれることが知られていますが、"American Journal of Clinical Nutrition" に掲載されたタフツ大学の研究により、亜鉛不足の高齢者が亜鉛のサプリメントを服用すると免疫機能が改善するという結果になりました。出典: Study Shows Zinc Supplement Boosted Serum Zinc Levels and Immunity in Older Adults

以前の研究では、介護施設に居住している高齢者の30%で亜鉛が不足していること、そして亜鉛が不足していると肺炎にかかったり肺炎で死亡するリスクが増加することが示されています。

研究の方法
亜鉛血中量が中程度~非常に欠乏している65才超の高齢者25人を2つのグループに分けて、一方のグループ(12人)には亜鉛30mgのサプリメントを、そしてもう一方のグループにはプラシーボ(*)を3ヶ月間にわたって服用してもらいました。 亜鉛の血中濃度は、70μgを亜鉛不足か否かの基準値としました。
(*) 亜鉛を5mgだけ含有するマルチビタミンのサプリメントを二重盲検で与えた。
結果

亜鉛サプリメントの服用により亜鉛血中濃度が増加(亜鉛グループ:16% vs.プラシーボ・グループ0.7%)し、病原菌を模した刺激に対するT細胞(免疫細胞の一種)の増殖能力が向上していました。 プラシーボのグループに比べて亜鉛のグループの方がT細胞の数と能力が随分と向上していましたが、それはT細胞の機能向上よりもむしろ数の増加によるものでした。

当初に亜鉛がひどく欠乏していた高齢者では亜鉛のサプリメントによっても亜鉛不足は解消されませんでした。 この点について研究者は、亜鉛欠乏がひどい場合にはもっと長期間の亜鉛補給が必要かもしれないと述べています。

亜鉛について

北米では亜鉛欠乏症は稀有ですが、消化器に障害がある人やベジタリアンでは亜鉛が不足することがあります。

亜鉛は、魚介類(特に牡蠣)・肉類・豆類・ナッツ類・キュウリ(皮の部分)・乳製品などに含まれています。 亜鉛が強化された食品やサプリメントで摂ることもできます。

亜鉛の推奨摂取量上限は1日あたり40mgで、それ以上を摂り過ぎると害になることがありますが、一部の研究者は高齢者は亜鉛の吸収効率が衰えている(ので40mg以上を摂ることが必要である)と考えています。 亜鉛血中濃度にしても、細胞が利用できる亜鉛の量を正確に反映しているわけではありません。 血中濃度が十分でも細胞で亜鉛が不足しているというケースも考えられます。