睡眠導入剤ゾルピデムで心臓発作のリスクが50%増加

(2014年1月) 米国のダラスで開催された米国心臓学会で発表された台湾の研究によると、ゾルピデム(商品名: マイスリー)という睡眠導入剤によって心臓発作(急性心筋梗塞)のリスクが増加します。 心臓発作のリスクは、年に4粒(35mg)の服用によって約20%、60粒の服用によって50%も増加します。

ゾルピデムによって心臓発作のリスクが増加する仕組みは完全には明らかではありません。 また、ゾルピデムのメーカーは「ゾルピデムによる心臓関連の副作用は報告されていない」と述べています。 しかし、この研究で心臓発作の患者 5,000人を健康な成人2万人と比較したところ、ゾルピデムの服用者で心臓発作のリスクが有意に増加していたのです。

大動脈解離のリスクも増加

同じ研究グループが同時に発表した別の研究では、ゾルピデムによって大動脈解離のリスクも増加します。 大動脈解離は人体における最大の動脈である大動脈が裂けたり傷ついたりして内出血(internal bleed)を起こすという病気で、命に関わることもあります。

この研究によると、10mgの錠剤を週に1~2回服用していると大動脈解離のリスクが2倍になると考えられます。

ゾルピデムのメーカーである Sanofi Inc 社は次のように反論しています:
「ゾルピデムの安全性と有効性は臨床試験によって確認済みです。 ゾルピデムは 1987年にフランスで承認されて以来、26年間にわたって世界中で使用されており、ゾルピデムによって実現された睡眠は実に240億回分になりますが、これまでに急性心筋梗塞や大動脈乖離がゾルピデムの副作用として報告されたことはありません」
2013年の1月には、米国食品医薬局(FDA)がゾルピデムのメーカーに推奨用量を半分(5mg)に減らすように求めることを予定していると発表しています。 FDA がこのように求める理由は、ゾルピデムが当初考えられていたよりも長く血流中に残留すると考えられるためです。