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前立腺ガン治療薬「ザイティガ」は朝食と同時服用なら1/4の用量で済む

(2018年3月) "Journal of Clinical Oncology" に掲載されたシカゴ大学などの研究によると、前立腺ガンの治療薬を朝食後に服用するなら服用量が少なくて済み、薬代の負担が75%も軽減されます。 出典: Taking a Standard Prostate Cancer Drug with Food Boosts Impact, Lowers Cost

アビラテロン

転移性の去勢抵抗性前立腺ガンの治療に用いられる薬にアビラテロン(酢酸アビラテロン。 商品名は「ザイティガ」)というものがあります。 しかし、この薬には2つの問題があります:
  1. 朝食を食べる時間帯が遅くなる。 朝食前にアビラテロン250mg×4錠を服用し、それから1時間は何も食べないように指示される。
  2. 目の玉が飛び出るほどに薬代が高い。ひと月で8千ドル~1万1千ドルもかかる。 アビラテロンの薬代は年間で10万ドル(1ドル100円だとして1千万円)を超えるが、それを一般的には2~3年間も服用し続けなくてはならない。

研究の方法

アビラテロンは他の薬に比べて食事の影響を強く受けるため、アビラテロンが血流中に取り込まれる量は、低脂肪の食事(脂肪分7%、300kcal)を食べるのと同時に服用すれば4~5倍に、高脂肪の食事(脂肪分57%、825kcal)を食べるのと同時に服用すれば10倍に増加し得ます。

そこで研究チームは、アビラテロンを朝食と同時に服用した場合とアビラテロンのみを服用した場合とでアビラテロンの効果やリスクを比較する臨床試験を行いました。

試験に参加したのは68名で、いずれも進行前立腺ガンの患者でした。 この68名を次の2つのグループに分けました:
  1. 毎朝の食前(胃が空のとき)にアビラテロン 1,000mg(250mg×4錠)を水で服用し、その後1時間をあけてから朝食を食べるグループ
  2. アビラテロンを250mg(1錠)だけ低脂肪の朝食(シリアルと無脂肪乳)を食べるのと同時に服用するグループ。 ベーコンやソーセージなどの高脂肪食品は避けるように指示された。

結果

アビラテロンを250mgしか服用しない場合にも 1,000mgを服用した場合と同程度に前立腺ガンが抑制されました。

試験開始から12週間後の時点で、250mgを服用したグループのほうが前立腺ガンの病状の指標であるPSA(前立腺特異抗原)の値がわずかに高いだけでした。 無増悪生存期間は2つのグループで同じで、どちらも8.6ヶ月間ほどでした。

今回の試験は小規模だったので大規模な試験で今回の結果を確認する必要がありますが、研究チームは「朝食と同時にアビラテロン250mgを服用する」という用法がこれまでの標準的な用法と同程度に有効であると確信しています。